ありがとう。

11月1日、ママハハと一緒にサラとスー太の散歩していた時、

ある女性が私を呼び止めてこう言った。

「アクアちゃん死んじゃったのよ」

え…?

アクアちゃんとはミニチュアダックスの女の子。

シナモンカラーでロングコートのキレイな子だった。

私を呼び止めたのは、アクアちゃんの飼い主さんであった。

アクアちゃんは今年で16歳。亡くなったのは10月31日ハロウィンであった。

飼い主さんからそれを聞いた時に、一瞬頭が固まってしまった。

私が自閉症で、他者からの突然の呼びかけにパニックになった、という事ではない。

アクアちゃんが突然「死んじゃったのよ」と言われて、信じられなかったのだ。

アクアちゃんは乳腺腫と子宮蓄膿症を患っていた。

子宮蓄膿症で今年の2月も危ない状況で、

ママハハが心配してサプリメントや免疫ミルクなどを届けていた。

その後は落ち着いていた。

1週間前には飼い主さんがアクアちゃんを連れて、息子さんの車に乗るところを見たが、

具合が悪そうには見えなかった(10日前には内出血があったらしいが)

まさか死ぬとは思わなかった…

アイちゃんやフ―ちゃんの時とはまた違う衝撃があった。

何故なら、私は人間の近所付き合いがほぼ皆無なのに、

アクアちゃんとは付き合いが長かったからだ。

9年前、アクアちゃんの飼い主さんが引っ越してきた。

アクアちゃんは当時7歳、私が高校1年だった。

その後はアクアちゃんがお散歩している時や、お庭に出ている時に見かけていた。

飼い主さんやアクアちゃんとは特に何を話すことはなかったが、

アクアちゃんは可愛いかった。

1日の朝にアクアちゃんの事を聞き、

ママハハは花を、私はお菓子を買ってアクアちゃんに会いに行った。

寝ているみたいだった。また起きてくるような感じがした。

やはり、アクアちゃんが亡くなった事は、自分が思った以上に衝撃であった。

また、人間の付き合いより、犬との付き合いの方が長かったことにも衝撃であった。

(あまりにも外に出てないので、私の名前を知らない近所の人が多かったのだ。)

…ちなみに、その後飼い主さんからお菓子を頂いた。

FOUMDRYのリンゴサブレであった。

〈図1 2018年11月4日撮影〉

ママハハと紅茶で頂いた。

お菓子の袋には手紙も入っていた。

手紙にはママハハと私の名前があった。

アクアちゃんの事をありがとう、という様な事が書いてあった。

…私は何もしていない。

お世話になったのは私の方だった。

アクアちゃん、ありがとう。

仲良くしてくれてありがとう。